このコーナーは、弊社が全国で他に類を見ない自社製品をご紹介するとともに、それにまつわるストーリーをお話するコーナーです。
弊社では、脈々と受け継がれて来た技術を伝承し、新たな技術開発を様々な角度から、試行しています。それが、具現化・結晶化したのが、以下にご紹介する製品です。
|
|
目次:
ページの先頭
漆黒の黒を目指して
日本食糧新聞 掲載
身土不二
地産地消への試み
伝統の承継
ご家庭で手前みそ
|
|
◆漆黒の黒を目指して◆
国産黒味噌
味噌を仕込むと時間の経過にしたがって、味噌の色は、褐色に変わって行きます。これは、メイラード反応、別の呼び方をすると、アミノカルボニル反応と呼ばれる反応になります。メイラードは、研究者の名前から来ています。アミノカルボニル反応は、アミノ酸とカーボン(炭素・デンプンや糖)が反応するという意味です。この反応は、味噌の反応には珍しく非酵素的反応です。この反応によって生じる褐色物質をメラノイジンと呼び、抗酸化作用のある物質としてよく取り上げられるのは、ご存知の通りです。味噌の場合、この反応は、主に大豆の中にあるタンパク質と糖が反応すると考えられています。
私たちが目指したのは、その先にある漆黒の味噌です。それは、黒くて光沢のある味噌です。
味噌の色は、CIE(国際照明委員会)の表色系により、明るさY(%)、色相x値、彩度y値で示されます。Y値は、数値の大きいほど色が淡くなり、y値が多いと黄味色強く、x値が多いと赤味が増すことになります。標準的なY値は、味噌の種類によって、白味噌30〜38%、淡色系味噌18〜29%、赤系味噌8〜14%、江戸甘味噌4〜9%、豆味噌1.5〜3.0%、麦甘口味噌11〜22%、麦辛口味噌4〜13%となっています。(新・味噌技術ハンドブック 全国味噌技術会)
味噌の色を黒くする方法は、幾つかの方法が考えられます。一つは、カラメル色素などの着色料を加えることです。カラメル(ソース)とは、ご存知のとおり、プリンに欠かせない茶色の甘苦いとろみのある液体です。その作り方は、砂糖などの糖を加熱することによって、分解結合作用が起きて、あの色とほろ苦さが作られるので、そのように作られたカラメルソース自体に全く問題はありません。(カラメル色素には、製造法によりT〜Wの種類があり、そのV、Wについては、議論となっているようです。)
もう一つの方法は、味噌を焼くことです。味噌を加熱して110℃を超えていくと、メイラード反応と同時にカラメル化も起こります。そのため、味噌の濃い色が、全てメイラード反応の結果とは、言えません。(大豆蒸煮の際は、メイラード反応とカラメル化が同時に起こっています。)
しかし、それでは、味噌に必要な乳酸菌や酵母などの微生物の発酵作用が、出来なくなります。味噌の乳酸菌は、25〜30℃が適温で最高の生育をします。40℃となると生育せず、弱化します。味噌の酵母は、30℃前後が生育適温で、それ以上の高温では弱化して、40℃では、生育が行われなくなります。さらに酵素も、80℃以上では変成(失活)してしまい、酵素としての働きは、出来なくなります。
私どもは、着色料無添加で、味噌を発酵熟成することだけでY値1.5%未満を達成しました。
原材料は、国産大豆、国産米、食塩、酒精 です。
製品規格
5kg、10kg、20kg段ボール入り 調合味噌
原材料 国産大豆、国産米、食塩、酒精
賞味期限 6か月
お問い合わせは、
uketuke@nihonmiso.com
まで、お願いします。
|
|
目次:
ページの先頭
漆黒の黒を目指して
日本食糧新聞 掲載
身土不二
地産地消への試み
伝統の承継
ご家庭で手前みそ
|
|
◆日本食糧新聞 掲載◆
タイトル「江戸甘味噌、じわり浸透 味わいトロリ 東京生まれの粋な味噌」で掲載されました。
掲載記事 全文PDF
|
|
目次:
ページの先頭
漆黒の黒を目指して
日本食糧新聞 掲載
身土不二
地産地消への試み
伝統の承継
ご家庭で手前みそ
|
|
◆ 身土不二 ◆ |
十二種雑穀味噌
[製品へのこだわり]
昨今、雑穀がブームとも言える広がりを見せています。その理由としては、雑穀の持つ様々な力が認識されてきたことによると思っております。
世界各地には、様々な種類の穀物があります。そこで、私ども日本味噌は、
身土不二
の考え方を基本として、原料を選択しました。それは、日本列島に古来より栽培されていた穀物こそが、日本人の体を形成し、文字通りの骨格となっている。その穀物を原料として、味噌を造ろう。ということです。
雑穀エキスパートで味噌製造技能士1級(厚生労働省認定)の小俣光正が中心となり、社内の雑穀エキスパートたちの意見と様々な資料を基に幾つかの具体的な穀物名を導き出しました。
一. 古事記に記載されている穀物 稲、粟(アワ)、麦、小豆(あずき)、大豆
二. 日本書紀に記載されている穀物 粟、稗(ヒエ)、稲、麦、大豆、小豆
三. 東アジア発祥と考えられている穀物 稲(日本型)、ヒエ、ハトムギ、ソバ、大豆、小豆、
(日本雑穀協会資料より)
そして、白米、赤米、黒米、もち米、大豆、黒大豆、小豆、大麦、ハトムギ、アワ、キビ、ヒエの十二種類を選択しました。
[味へのこだわり]
雑穀と一口に言っても、様々な特徴があります。味だけを見ても、渋みのあるものや、ほのかに甘いものなど多種多彩です。体に良いものは、継続して食べることにより、良い効果が出るはずです。毎日、おいしく食べて、体に良ければ、これに越したことはありません。
おいしい雑穀味噌にするために、弊社の味噌製造技能士たちが集まり、原料配合、麹造り、豆の炊き具合、熟成方法などを経験と知識に基づいて意見を出し合い、数多くの試験醸造を行い、ベストのものを選びました。
[品質へのこだわり]
ここ数年、食品業界は品質・衛生管理に対し、厳しい視線に晒されています。弊社は、長年数多くの加工メーカー様や飲食チェーン様などとの取引を通じて、食品のプロの評価を得ております。工場の完全密閉化をはじめ、トレサビリティ、HACCP手法などの品質・衛生管理体制を整えております。もちろん、仕組みは出来ていても一番大切なことは、人の心です。全従業員が、「お客様の口に入るもの」を造っているという意識を持って製造にあたっています。
[職人としてのこだわり]
ご存知のように味噌は発酵食品です。我々製造者は、全ての段取りを終えてからは、麹菌をはじめとする細菌や酵母によって良い発酵が進むように、環境を整えることしか出来ません。しかし、そこまでの過程において、良い製品になるように出来る限りの努力をしております。そのためには、製造に関わるすべての工程で、状況に応じた判断が必要な場合があります。弊社では、味噌製造技能士が各工程ごとに、その経験と知識を生かして、より良い発酵熟成が行われるように、発酵環境整備を始め様々な努力をしております。
製品規格
1kgカップ入り
原材料 大豆(遺伝子組換えでない)、大麦、白米、黒大豆、小豆、赤米、黒米、もち米、ハトムギ、アワ、キビ、ヒエ、食塩 ※ 全て国産原料
賞味期限 6ヶ月
※日本味噌「十二種雑穀みそ」は、全て国産原料を使用し、無添加・天然醸造にて、製造を行っています。
お客様のお手元に届いた後も、発酵熟成は進んでおり、着色や味の変化が続きます。おいしく召し上がっていただくために、開封前、開封後に関わらず、10℃以下で保存をいただくことをお勧めします。
お問い合わせは、
uketuke@nihonmiso.com
まで、お願いします。
|
|
目次:
ページの先頭
漆黒の黒を目指して
日本食糧新聞 掲載
身土不二
地産地消への試み
伝統の承継
ご家庭で手前みそ
|
|
◆地産地消への試み◆ |
神奈川県産みそ「津久井」
弊社は、明治18年創業、昭和8年横浜市に工場設立以来、味噌の製造と販売を行なってまいりました。
新たな世紀を迎えるにあたって、神奈川県で味噌の生産をしている以上は、神奈川県産原料100%の味噌が製造できないかと考えました。
同時に、神奈川県の固有の大豆品種「津久井在来」
(来歴、
栽培法)
は、味噌の原料としては、大変評価が高い品種であることを知りました。
全農主催の味噌原料の適性試験
『味噌の科学と技術』(1981年1月号掲載)でも、津久井在来大豆は、糖質、たん白質ともに多く、熟成後のみその色調と組成も良く、総合評価で最も高い評価を得ています。
しかし、
神奈川県の大豆の生産量
は、他道県に比べると著しく少なく、しかも生産量のほとんどが大豆ではなく、枝豆として消費されていることが、わかりました。
色々と手を尽くし、津久井湖の周辺にも足を運びましたが、生産は今でも有志の方がされていることがわかりましたが、残念ながら、その当時は、弊社に分けていただけるほどの量は、収穫されていませんでした。その後、津久井郡の市民団体「津久井在来大豆の会」を通じて、大豆を分けていただております。
2005年、当時に少しいただいた種を弊社の庭に蒔き、増やすことも試みましたが、如何せん素人の土いじりの域を出ませんでした。
|