将軍家ご出身地の三河「八丁味噌」の旨みと、京都「白味噌」の上品さを兼ね備えた味噌として、江戸中期に開発された独自の風味を持った江戸特産の味噌です。光沢のある茶褐色で、大豆の香味と糀の甘味が渾然と調和し、「とろり」とした独特な風味を醸し出します。第二次世界大戦中には贅沢品として醸造が一時禁止されましたが、醸造量を減らしてでも、細々と江戸甘味噌を供給していました。現在でも、江戸時代から伝統ある老舗の料亭や料理店では、創業当時と変わらない昔ながらの味を守るために、当社の「江戸甘味噌」をご利用いただいております。江戸甘味噌の特徴は文字通りその‘甘味'にあります。醸造時の塩分量は5〜6%で、砂糖や甘味料などは一切使用せず、米糀の持つ‘しっとりとした甘味’のみを活かしています。また、江戸甘味噌は動物性蛋白質によく適した味噌といえます。それは、この味噌が持つ本来の甘みが合というだけではなく、糀に多く含まれる酵素が蛋白質を分解して旨味を出し、さらに、肉や魚の臭みを押さえる働きをするからです。この2つの特性を活かして、豚汁や土手鍋、煮込み料理、炒め物の隠し味に使うと、「こく」のある深い味わいに仕上がります。伝統を守り続けた江戸甘味噌も、醸造は今では当社のみ。懇切丁寧に仕上げられた「江戸甘味噌」を一度お試しください。
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