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米みそを味で分けると、甘みそ、甘口みそ、辛みその3つに分けられますが、色でも大きく3つに分けることができます。
淡いクリーム色、黄味を帯びた淡色、赤味を帯びた褐色の3色になりますが、同じ米みそなのに、銘柄によってこうした色の違い、濃淡の差がでてくるのは、主として、発酵時の”メイラード反応”によって生まれます。
メイラード反応とは、原料である大豆や米(麦)などに由来するアミノ酸と糖が
反応して褐色の色素に変化することをいいますが、そのメイラード反応の度合によって色に差が生じ、反応が充分に起こったみそほど濃い褐色を帯びてきます。
京都などの白みそは、このメイラード反応を極力抑えるように工夫がされています。
白みそではきれいなクリーム色をだすために、米の精白度を高め、着色しないような麹菌を選んで麹を造り、大粒の大豆を脱皮し、釜で煮ます。
これで、褐色色素の基になる糖質やタンパク質は水に溶けて取り除かれ、熟成の際のメイラード反応が抑えられ、その結果、色の淡いクリーム色の白みそが出来上がるのです。
白みその熟成期間が1〜2週間と短いのも、メイラード反応を抑えるために好都合なのです。
塩分が少ないみそなので、貯蔵性が低いのと変色を防ぐため冷蔵が必要です。
逆に、大豆を一晩水に漬け、水を切って、加圧釜で強く蒸すと、大豆は着色するとともに、糖質やタンパク質が麹の酵素で糖やアミノ酸に分解されやすくなるので、一層メイラード反応を起こしやすくなり、さらに、みその品温が高いほど、熟成期間が長いほど着色は進み、仙台みそなどのように濃い赤みそとなります。
このように、長期の熟成中に、雑菌による変質を防ぐために、塩分を12%以上にしてあるので、貯蔵性に優れています。
一方、黄味を帯びた淡色の信州みそなどは、白みそと同じように大豆を煮たり蒸したりして、蒸し上がりの大豆の色を明るく黄色の鮮やかなものに仕上げ、鉄の混入を防ぐなど、全工程にわたり着色防止への配慮をしています。
このように、みその基本的な造り方は麹の種類が同じであれば共通していますが、製造過程や熟成期間によって出来上がりが異なるため、銘柄によって、いろいろな特徴が出てくるのです。
これを地域別にみると、北関東から東北、北海道にかけては赤褐色の辛口米みそ、信州などの淡色の辛口米みそ、京都を中心とする近畿地方および瀬戸内海海岸地域では白甘みそが造られています。
2種類以上のみそを組み合わせて使う「合わせみそ」にするとまろやかになり、一層コクがでておいしいとされます。
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