メールマガジン No51~60

目次

★第51回 麹の「はぜこみ」が良い(続き) ★

今年も残すところあと1ヶ月になりました。
忙しい時期ではありますが、体調に気をつけてお過ごしください。

今回は、麹の「はぜこみ」が良い(続き) をお届けします。

 麹菌(黄麹菌)は、菌糸の長さの他の分類としては、繁殖スピードやどの
ような酵素を多く生成するかで区別されます。
麹菌を選択する場合には、酵素の生成の特性も重要なポイントです。

まず、麹菌とその生成する酵素について、説明をします。

麹菌は、米の主成分であるデンプンやタンパク質を直接摂取して、自らの
栄養とすることは、出来ません。
そのために、デンプンやタンパク質を分解する酵素を生成して、麹菌が摂取
できるように、酵素に主成分を分解させてから、自らの栄養とするためです。
その麹菌が作った酵素を味噌作りに利用しているのです。

日本酒と味噌は、同じ黄麹菌を使いますが、酵素の生成特性の違う麹菌を
使います。
日本酒用は、アミラーゼ酵素を多く作る麹菌を使い、味噌用は、アミラーゼ
酵素とプロテアーゼ酵素の両方を多く作る麹菌を使います。

アミラーゼ酵素の役割は、デンプンを分解して最終的にはブドウ糖にすること
です。プロテアーゼ酵素の役割は、タンパク質を分解して最終的にはアミノ酸
にすることです。

なぜ、日本酒用の麹が、アミラーゼ酵素を多く作る性質を持った麹菌が
良いのかは、原料が米だけであり、精米の80%以上が炭水化物(デンプンを
始めとする糖関係)なので、アミラーゼ酵素が必要になります。

また、アルコールは、酵母によってブドウ糖から作られます。
ブドウ糖を多く作るためにも、アミラーゼ酵素は必要です。

また、味噌用の麹が、アミラーゼ酵素とプロテアーゼ酵素の両方を多く作る
麹菌が良いのかは、味噌の原料が、炭水化物の多い米とタンパク質の多い
大豆を原料としていることによります。

ちなみに麹菌は、日本酒の場合は、酒母を作るときに酸欠で、味噌の場合は、
仕込の時に塩分で、死滅します。しかし、麹菌の作った酵素は、半永久的に
酵素分解を続けます。

理論的な裏付けは、ありませんが、発酵食品でいくつのも微生物が関係する
場合は、同時期に2種類以上の微生物が、活動することは無いようです。

味噌の場合は、麹菌が死滅して、乳酸菌が活動して、最後に酵母が活躍して、
味噌が出来る。と言った形で、発酵が進んでいきます。
また、麹菌は酵素を、乳酸菌は乳酸を残して、それぞれの生きた爪痕を残す
というか、それぞれの役割を全うすることによって、味噌の完成にかけがえの
ない存在となります。

広く味噌と言っても、仕込む味噌の種類によっても、麹菌の酵素生成特性の
違う麹菌を使うことも、考えられます。

たとえば、米の割合が多い麹歩合の高い味噌(甘味噌)用の麹造りには、
アミラーゼ酵素を多く作る麹菌を使うことや、長期熟成型の麹歩合の低い
味噌用には、プロテアーゼ酵素を多く作る麹菌を使うことです。

しかし、麹造りでは、一番大切なことは、良く破精込んだ麹を作ることです。
味噌用の麹菌を使っている限りは、麹菌の酵素生成特性などは、ある意味
誤差の範囲です。

良い麹を作り、それで味噌を仕込むことが、大切です。
そのためには、1種類の麹菌の性質をよく理解して、気候や環境に合わせて、
手を掛けていくことが、良い麹を作ることにつながると思っております。

★第52回 なぜ、「みそ」と呼ばれるようになったか ★

皆様、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今回は、『なぜ、「みそ」と呼ばれるようになったか』 をお届けします。

味噌は、なぜ、味噌と呼ばれるようになったのか。これについては、諸説あり
ます。

ここで、私がささやかな資料を基に、大胆な推理と強引な屁理屈を駆使して、
なぜ、「味噌」と呼ばれるようになったかの仮説を展開します。
あくまでも、素人の考える話なので、古代史マニアが唱える「邪馬台国はそこ
にあった」説以下のおとぎ話として、受け止めて下さい。

出典資料は、キチンとしたつもりですが、それ以外は、ご容赦下さい。

まず、味噌の「噌」が日本で作られた漢字で、しかも、「味」と組み合わせて、
「味噌」としか使われていないとされています。

「噌」の意味は、白川静著「字統」によると
「形声 声符は曾(そう)〔玉篇〕に『噌吼(ソウコウ)、市人の聲なり』と
あり、市井のやかましい声をいう。わが国では味噌の字に用いる。
みそは韓土の方言に由来するという。また、未醤としるすのはあて字であろう。」
とあります。

そこで、味噌や味噌料理の周りに集まって、ワイワイすることから、来ている
という話をする関係者もいます。また、〔玉篇〕にあるということは、国産の
字ではなく、中国産の字であるということでしょう。
この話は、たまに耳にされることがあると思いますが、そもそも「味噌」が
当て字なので、話としてはソコソコでも、学術的には意味のない話となります。

「みそ」と読める一番古い文献は、大宝律令(701年)に「醤」「鼓」「未醤」
の記載があります。
このうちの「未醤」を「みそ」の語源とする説が、有力な説です。しかし、
「未醤」に「みそ」もしくは「みしょう」とフリガナが着けてあったわけでは、
ありません。

しかし、江戸時代の食品百科事典とされている「本朝食鑑」では、「味噌」の
項目で【釈名】高麗醤。楊氏の『漢語抄』。末醤。『和名抄』によれば、
「美蘇(みそ)。今按ずるに『弁色立成』の説も同じ。但し本義は未詳である。
倶に味醤の二字を用いている。味は末の字に作るべきである。
末とは、搗末(ついたこな)の意味である。そして末が訛って未となり、さらに
未は味と転じたものであろう。けだし志賀の未醤・飛騨の未醤というものがある。
それぞれ生産する所を名としている」とある。

必大(本朝食鑑の編者)の考えでは、近世では誤り伝えて味噌の字を用いている。
その根拠となるところはないけれども、末醤なら意味において相通じる。
今は全国で上下ともに味噌の字を用いているので、暫くこれに従って改正せずに
おく。とあります。

「本朝食鑑」の味噌の釈名(言葉の解説)を全て写しましたが、いくつかのポイ
ントがあると思うので、書き写しました。

まず、様々な文献を渉猟して「本朝食鑑」を著したようですが、大宝律令について
触れていないことです。そのため、大宝律令での「未醤」の評価がわからないこと
です。

続いては、「末醤」の説です。大宝律令にも「末醤」が「未醤」と書き間違えて、
それが「みしょう」→「みそ」と誤って読まれて伝わった可能性も、出てきます。
「末」も「未」も「木」を元とした字なので、どちらも木の部分を表す字なので、
大きな意味の違いはない(雑な判断)はずですが、音が「マツ」と「ミ」なので、
「ミソ」の発音が先にあって、後から字を当てて行くとなると、製法的には良く
ても、この説も苦しいと思います。

最後は、「高麗醤」です。これは、「朝鮮半島の醤」という意味だと思われます。
現代では、「コチジャン」が韓国調味料として有名な調味料ですが、基礎調味料と
しては、「テンジャン(味噌系)」「カンジャン(醤油系)」が作られています。

これは、茹で大豆を潰して、型に入れ長方体に成形して、軒下に吊るして空気中の
微生物をその表面に?殖させたものを「メジュ」と呼びます。
「メジュ」を塩水の中で、発酵させたものが「テンジャン」「カンジャン」になり
ます。(似たような名前の調味料に「テンメンジャン」がありますが、これは、
全くの別物で、中国語の「甘い小麦の醤」という意味の調味料です。)

そこで、最初の白川静先生の「噌」の解説にあった「韓土の方言」を結び付けて、
「メジュ」が、訛りに訛って「みそ」となった。という説は、如何でしょうか?

二つの資料の重なる部分は、ここに落ち着くような感じがします。
<続きは、次号で>

参考文献
「本朝食鑑」 人見必大 著 下田勇雄 訳 平凡社
「字統」 白川静 著 平凡社

★第53回 なぜ、「みそ」と呼ばれるようになったか(その2) ★

暦の上では春となりましたが、相変わらず寒い日が続いております。

今年のインフルエンザ患者数は推計201万人にも上り、流行のピークに
さしかかり、しばらく患者の多い状態が続くとしていて、手洗いなど対策の
徹底を呼びかけています。
皆様も十分にご留意されてお過ごしください。

今回は、
『なぜ、「みそ」と呼ばれるようになったか(その2)』をお届けします。

前号では、「みそ」は、中国から朝鮮半島を経て、日本に伝播したという説を
前提に理屈を展開しました。
しかし、「みそ」は、日本独自の発酵食品であるという説も、あります。

古くは縄文時代からある独自の発酵食品だと唱える人もいます。
もちろん、文献には残っていません。

日本発祥だとすると、「みそ」は、なぜ「みそ」と呼ばれるようになったか、
考える必要があります。
「未醤」なり「末醤」がスタートとすると、「醤」の意味や語源が気になり
ます。
「字統」によると、「醤」(ショウ、ひしお)は、
「形声 声符は将。将は肉を机の上に供えて神に奨める意。〔説文〕に
『醢(ししびしお)なり』とあり、肉を細く切り、麹と塩をまぜ、酒を加えて
密蔵したもの。醤油は大豆と大麦を塩につけてしぼったものである。」

この説明は、「肉醤」(これも「ししびしお」とも読む)の説明です。
出典は不明ですが、「醤」には、肉を発酵させた「肉醤」、魚を発酵させた
「魚醤」、穀物を発酵させた「穀醤」があり、「みそ」は「穀醤」である。
とされています。「穀醤」とは、文字通り穀物を麹により発酵させた食品です。

米を始めとする様々な穀物が、日本に伝播したのは、弥生時代なのは、
古事記や日本書紀の記述により、わかるようです。
だから、縄文時代の穀醤は、日本中に広がっていた照葉樹林のドングリを
みそにするしかなかったと思います。

麹菌は、藁灰があれば、なんとかなると思いましたが、稲作が始まっていないと、
藁はないですね。
でも、目的は、アルカリ性なので、木の灰でもなんとかなりそうです。
ちなみに、なぜアルカリ性かというと、空気中には色んな菌が浮遊していて、
それを培養する際に、アルカリ性にしておくと麹菌だけが生き残ります。

麹菌は、日本醸造学会により日本の国菌に指定されています。
だからと言って、麹菌を使った発酵食品は、日本だけのものではないようです。
(この件に関しては、裏付けがないので詳しい方は、教えて下さい。)
ただし、日本での麹菌を使った発酵が、日本人の食生活だけでなく医薬品に
まで深く関わっていることは、間違いないことです。

みそが、日本で縄文時代から作られていたことは、否定も肯定もできないこと
だと思います。

それに、今回のテーマである「みそ」は、なぜ「みそ」と呼ばれるようになったか。
に関しては、全く資料がありません。
縄文時代から飛鳥時代の大宝律令までの資料は、無いのですから。
みそ日本オリジナル説に関しては、とりあえず、このくらいにします。

今回このメルマガを書くにあたり、「みそ」の原点を私なりに探ってみましたが、
芳しい結果を得ることができませんでした。

しかし、文字として残っている最古が8世紀の飛鳥時代の大宝律令(存在自体は、
もっと昔から)であり、そこから、1300年経た今もたぶん似たような形で、
「みそ」が絶え間なく続いていることは、当代を担当する者として、責任の
重さを実感し、より一層の努力をしなければ、としみじみ思って居ります。
などと殊勝な感想だけでなく、多くの人の努力が積み重なって続いているのは、
間違いないけれども、これだけ長い間続いてきたのは、「みそ」そのものが
持続力を持っている食品だから、きちんと努力をして行けば継続可能なのだと、
安心感を持ちました。

★第54回 年末年始にかけて読んだ本 ★

 春一番も吹いて、いよいよ春らしくなってまいりました。
朝夕はまだまだ寒い日が続きます。体調管理を万全に、新年度を迎えたいと
思います。

今回は、
 『年末年始にかけて読んだ本』について、ご紹介したいと思います。

●ふわとろ SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 B・M・FT出版部

2016年の秋の時点での「おいしい」を輪切りにした本です。
その中には、賞味期限の長いもの、短いものが含まれています。
ムック風の作りになっており、分野ごとに筆者が分かれています。

詳しくは、
「おいしい」ものを作っている人にインタビューをする。
「おいしさ」を表す言葉を拾い上げる。
「おいしい」を表す古今の映画、本をピックアップする。
「おいしい」言葉の辞典。と大きく内容が4つに分かれています。

「おいしい」と言っても、食の嗜好が、長年に渡って変わっていくという
長いスパンのものもあれば、また、一時のブームであった「食べるラー油」の
ように打ち上げ花火のようなものもあったりするのは、それぞれの賞味期限の
長短なのでしょう。

もし、同じ本を次の年に出版するとしたら、どのくらいの内容が入れ替わるかな。
と思うような「おいしい表現」にも鮮度があることを感じさせる本です。
物を食べて「おいしい」と感じる時間は、口に入れてそれが胃の中に落ちて行く
までの時間だけです。

●美味礼讃 (上) (下) ブリア=サバラン(著), 関根 秀雄(翻訳), 
 戸部 松実(翻訳) 岩波文庫

グルメ本の始祖ともされている本です。食に携わっているからには、読んで
みるかと思って読んだ本です。

しかし、読み終えてみると、今までこの本に対して感じていた
「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを
言いあててみせよう。」に代表される格言めいた部分が、必要以上に強調され
ていたように感じました。

副題の「味覚の生理学」の方が、「美味礼賛」と大上段に振りかぶった題名より、
しっくりとくる内容に思えます。
19世紀の初頭に書かれた食いしん坊のエッセイが中心となり、そこから様々な
方向に枝が伸びている本です。

この本が書かれた当時は、学問の分類が今ほど厳密ではなく、この本も自然科学
関係の本として、分類されるのでしょう。
ただ書いてある科学的な考察が、現時点で科学的に正しいとは、言えません。
解説によれば、著者は、乱高下というか、流転の人生を歩んだようですが、
苦労人ゆえの楽観的なのどかなテイストになっています。

●台所のおと 幸田 文(著)  講談社文庫

最初に紹介した「ふわとろ」の映画、書籍紹介で見て、興味を覚えたので、
読んでみました。この著者については、幸田露伴の娘という知識しかなく、
幸田露伴の小説すら読んだことがありませんでした。

独特の切り口で市井の人を書いた短編集です。
ヒーローや偉人ではない普通の人達が、生活して死んでいく話ですが、
突き放したような、寄り添うような筆致で、もちろん、ハッピーエンドでもなく、
読み終わって気持ちがザワザワしました。

日常を切り取るとは、こういうことかと、感じさせます。

●文人悪食 嵐山 光三郎(著) 新潮文庫

去年来、一般社団法人東京味噌会館では、「江戸甘味噌」の歴史等についての
本を制作しています。もちろん、専門のライターさんにお願いして、執筆をして
もらっております。
しかし、少しは役に立てればと、当てずっぽうでこの本を読んでみましたが、
江戸甘味噌の影も形もありませんでした。
本の内容は、当たりで、明治大正期の文人の食に関する話で、そこにスポット
ライトを当てるとは、ナイス企画です。

しかし、現代と違って、食べ物に執着することは、卑しい行いだと言う教育が
行き届いていたようで、(武士は食わねど、高楊枝。)資料集めが大変だった
感が、行間からにじみ出てきます。

現代は、そういう意味で、異常なのかもしれません。
SNSには、誰も尋ねていないのに、3食の食べたものをアップしている人が数多く
います。
あの世のサバラン翁が見たら、どういう診断をするのでしょうか。

★第55回 味噌の色について ★

暖かな春の日ざしがうれしい季節となりました。
新年度のスタートにもなる4月です。
気持ちを新たにして、生活を送りたいですね。

今回は、『味噌の色について』をお届けします。

味噌を仕込むと時間の経過にしたがって、味噌の色は褐色に変わって行きます。
これは、メイラード反応、別の呼び方をすると、アミノカルボニル反応と呼ば
れる反応になります。

メイラードは、研究者の名前から来ています。
アミノカルボニル反応は、アミノ酸とカーボン(炭素・デンプンや糖)が反応
するという意味です。

この反応は、味噌の反応には珍しく非酵素的反応です。この反応によって生じる
褐色物質をメラノイジンと呼び、抗酸化作用のある物質としてよく取り上げられ
るのは、ご存知の通りです。
味噌の場合、この反応は、主に大豆の中にあるタンパク質と糖が反応すると考え
られています。

淡色系や白味噌を作る場合は、大豆を水煮してから、蒸煮します。これは、大豆
の中にある水溶性の糖やタンパク質を水煮することによって、大豆から煮出して
しまうために行います。
水煮の度合いによって、蒸煮の終わった大豆の色は、違います。

もちろん、大豆に含まれるタンパク質や糖類の全てが、水溶性では無いので、
蒸煮大豆の中にタンパク質や糖類は残っています。
赤系味噌の大豆を蒸煮する場合は、水煮をせずに蒸煮を行います。
以上のことから、淡色系味噌に使う大豆と赤系味噌に使う大豆は、蒸煮が終わっ
た段階から、色が違うことになります。

味噌の色は、CIE(国際照明委員会)の表色系により、明るさY(%)、
色相x値、彩度y値で示されます。
Y値は、数値の大きいほど色が淡くなり、y値が多いと黄味色強く、
x値が多いと赤味が増すことになります。

標準的なY値は、味噌の種類によって、白味噌30~38%、淡色系味噌18~29%、
赤系味噌8~14%、江戸甘味噌4~9%、豆味噌1.5~3.0%、麦甘口味噌11~22%、
麦辛口味噌4~13%となっています。
(新・味噌技術ハンドブック 全国味噌技術会)

最初に書いたように、時間の経過に従って味噌の色が変わるために、色が褐色に
近いほど、発酵熟成期間の長い味噌とは判断することは、必ずしも正解とは
限りません。
その明らかな例が、江戸甘味噌です。江戸甘味噌の発酵熟成期間は、2週間ほど
です。

しかし、そのY値は、4~9%と通常の赤系味噌よりも低いくらいです。
通常の赤系味噌の麹歩合が5歩程度に対して、江戸甘味噌の麹歩合が15歩と麹の
量が多いことも影響して、色が濃くなっています。

これは、江戸甘味噌の大豆の蒸煮方法が、特殊であることに由来します。
その方法とは、留め釜という方法です。
これは、当初の目的は、納豆菌などの土壌細菌(耐熱性菌が多い)を殺菌する
ためでした。
何回かに分けて大豆を加熱してすることによって、耐熱性菌の芽胞から芽が出て
菌糸が伸びたところを狙って、殺菌を行う方法を取りました。
江戸甘味噌が最初に作られた当時は、圧力釜などはなく、最高でも水の沸騰した
温度(圧力釜だと120℃程度)にしかならず、耐熱性菌は殺菌できなかった
ためです。

その留め釜の副次的効果で、江戸甘味噌は、大豆の中でメイラード反応が著しく
進み、独特の風味と色の一端を特徴として獲得しました。

江戸甘味噌のような例は、極めて特殊な例と言えます。また、それぞれの味噌に
よって、最適な熟成状態は違います。同じ配合で、同じ目的で作られた味噌でも、
色以外の検査項目(pH、水分、塩分等)が同じでも、色が違うことも当然発生
します。

味噌製造技能士の実技試験でも、味噌の熟成を判定する問題があります。
味噌の色を同じようにして、熟成度が違う問題サンプルを作るという出題者の
技能が、問われる問題です。

★第56回 味噌の発酵熟成と加熱 ★

 端午の節句を前に、ご近所では鯉のぼりが登場し始めました。
今年は、天候に恵まれたゴールデンウィークの様ですね。
梅雨前のさわやかな季節を満喫しつつ、ゆっくりと日頃の疲れを癒して下さい。

今回は、『味噌の発酵熟成と加熱』をお届けします。

味噌の発酵熟成と温度は、関係が深くなっております。
以前、同業者から次のような話を聞いたことがあります。
「電話がかかって来て、『仕込味噌を仕込んで半年も経つのに、ちっとも味噌
らしくならない。』とあり、続けて話を聞くと、仕込んだらそのまま冷蔵庫に
入れておいたらしい。」
それでは、発酵熟成の進み方が遅いのは、仕方がありません。

しかし、味噌の発酵熟成を促すために、やみくもに高熱を掛ければ、進み方が
早くなるわけではありません。

味噌の発酵熟成は、ご存知のように、麹の酵素による作用、乳酸菌や酵母などの
微生物による発酵作用、それらの生産物の化学的な分解・合成作用に大きく分け
られます。それぞれの作用で、効率の良い温度があります。

まず、麹の酵素が原料を加水分解するのに適した温度は、次の通りです。
麹の酵素は主な酵素は、二つです。
タンパク質やペプチドをアミノ酸に分解するプロテアーゼ酵素と
デンプンや糖などを分解するアミラーゼ酵素です。

効率の良い作用が起きる適温は、
プロテアーゼは、45~50℃、アミラーゼは、55~60℃とされています。
したがって、酵素分解を一番効率良く行うための温度は、50℃前後なります。
このことから、分解型(酵素分解)の味噌(甘味噌)は、熱仕込を行い、
その後の温度も高温を保つことで、酵素分解に適した温度で味噌を醸造すること
になります。

しかし、発酵型の味噌は、酵素の働きだけでなく、乳酸菌や酵母などの微生物の
発酵作用が、必須となります。味噌の乳酸菌は、25~30℃が適温で最高の生育を
します。40℃となると生育せず、弱化します。

味噌の酵母は、30℃前後が生育適温で、それ以上の高温では弱化して、40℃では、
生育が行われなくなります。

以上の条件を総合して、発酵型の味噌(辛口味噌)の最適な温度経過を挙げると、
仕込当初は25~30℃を7~15日前後保ち、乳酸発酵を促し、pHの低下と共に
酵母菌の生育環境を作り、7~10日位の間に徐々に品温を上昇させて30~35℃に
到達させ、次いで15~30日位保ち、その後30℃以下25℃位に品温を下げ、
15~30日位かけて後熟させる。
(出典は不明です。テキストに挟んであったコピーにありました。)

以上のことは、簡単に思えますが、実際やるとなるととても大変です。
最初の「25~30℃を7~15日前後保ち」だって、どのタイミングで次の段階に
移るのかを見極めなければなりません。

 ただ、ざっくり発酵型の味噌の発酵熟成は、30℃くらいのところに
仕込んだ味噌を置いておくことが、良いということになります。

もちろん、これは発酵熟成のためであって、味噌の保存は、10℃以下のところに
置いて下さい。零下30℃までは、味噌は凍結しないようです。

★第57回 発酵と発酵食品について考える ★

今年は、5月21日の時点で「猛暑日」の35.3度を観測しました。
体が暑さに慣れていないこの時期、熱中症にはくれぐれもご注意下さい。

今回は、『発酵と発酵食品について考える』をお届けします。

発酵食品は、酒類のほぼ100%を筆頭に、味噌、醤油、酢は言うに及ばず、
漬物、鰹節、塩辛、納豆、と朝食のテーブルを占領するほどです。
また、洋風で言うと、パン、ヨーグルト、チーズ、生ハムと思いつきます。
あとは、卵さえ揃えば、朝食バイキングになります。
卵からの連想で、中華のピータンも発酵食品です。
朝食バイキングで酒類を召し上がるとは、相当のツワモノでしょうが。

ものの本によりますと、世界の食品の1/3は、発酵食品だそうです。
(Geoffrey Campbell-Platt、Fermention より)

発酵と腐敗の違いについては、チョットしたクイズで出題されています。
答えは、微生物が働いた結果が、人間にプラス(有用)になった場合が、
発酵、マイナスになった場合が、腐敗。とされて来ました。
なんとなく面白い分け方とか、粋な区別方法とか、のように見方によっては
思えますが、基準が曖昧なことは、否定できないと思います。

私は、発酵とは、保存方法の一種ではないかと、思うようになりました。
発酵食品は、新鮮な食品と腐敗した食品の中間にある食品だと思うように
なりました。

保存方法には、様々な方法があります。今の日本で一番ポピュラーなのは、
冷蔵でしょう。冷蔵庫に入れておくだけです。
しかし、冷蔵庫の働きは、温度を下げることです。
それによって、微生物の増殖を抑えます。

冷蔵のさらに進んだ保存方法は、冷凍です。これだとほぼ微生物の増殖は、
無くなり、温度によっては、一部死滅する微生物もあります。

逆に、加熱する保存方法もあります。煮たり焼いたりします。加熱により
微生物を殺菌します。もちろん、加熱の前に微生物により変成していた食品は、
どう加熱しようが、食べてはいけません。
微生物の作った毒が加熱によって分解しません。

それに長時間に渡って微生物が死滅するような加熱を続ければ、その食品の
水分は蒸発し、食品と言えなくなります。

塩蔵という、塩に漬ける保存方法もあります。これは、食塩の脱水作用に
よって、微生物を殺菌する保存方法です。(今まで「殺菌」という言葉を
使って来ましたが、意味は、微生物の数を減らすという意味です。
「滅菌」は、完全にすべての微生物を除去することです。)

この塩蔵は、もうほぼ発酵です。これは、食品自体の持っている酵素に
よって、食品が自己分解し、新しい物質を作り出す行為があれば、発酵と
言えると思います。(塩辛が、典型的な例です。)

野菜の漬物は、発酵食品であるかないかといえば、一夜漬や浅漬は、
発酵食品ではなく、ぬか漬けや塩漬が、時間が経って乳酸発酵した漬物は、
発酵食品という区別でしょう。
また、緑茶が紅茶になる過程は、お茶の持つ酵素の働きですので、発酵と
言えるでしょう。

今まで、挙げたように保存方法は、調理方法とほぼ同じことをしています。
したがって、発酵も調理方法の一つとしても、良いのではないかと考えて
います。

発酵が、他の調理法と違うところは、他の調理法は、殺菌もしくは滅菌を
行うことを目的として行い、その結果、食品に新しい風味を加えることに
なったのに対し、発酵は、狙った単一もしくは複数の微生物のみを増殖
させることによって、保存とあらたな風味を加える結果となったことです。

発酵によって、新たな風味が素材に加わることは、今流行りの言い方で
言えば、「素材の良さを殺すことになる。」というか、食べられなくなる人が、
出て来ます。

日本古来よりの発酵食品である納豆や鮒ずしやクサヤは、苦手な人には
事欠かないですし、たまにテレビでお笑い芸人がモルモットとされて臭いを
嗅がされる「世界一臭い食品」と呼ばれるシュールストレミングは、破壊的な
臭いがするそうです。

嫌悪感を覚える臭いというのは、人間の遺伝子上に刷り込まれた記憶から来る
ものだと思います。臭いを嗅いで、嫌悪感を覚えるものの大多数が、食中毒菌が
繁殖している食品です。
それを食べて来なかったので、食中毒にならずに生き残り、子孫を残して行った
と思います。

そのように腐敗臭に負けて生理的に口に入れられない人に対して、鈍感で普通に
食べている人は、人生の楽しみの半分を味わっていないとか言うのです。

しかし、いい大人は、挑発に乗って1回は食べてみても、口に合わなければ、
次はあえて食べる必要はないと思います。
それまで、それ無しでなんとか生き残ってきたのですから、今更、気に入らない
ものを食べる必要は、ないはずです。
まずいと思うものを無理して食べるストレスの方が、体に悪いはずです。

味覚にしたって、おいしいと感じるものは、基本的には、栄養が豊富なはずです。
そうでなければ、生き続けて子孫を残せなかったでしょう。
従って、必要以上においしい物を食べれば、栄養が過多になって、太ることは、
当然と言えば、当然でしょう。

次回は、発酵食品の効能について、考えていきたいと思っております。

★第58回 発酵と発酵食品について考える(2) ★

今週の金曜日は、「七夕」ですね。この日、願いごとを書いた短冊を笹に飾ると
思いが叶うと言われています。
年に一度、祈りを込めて空を見上げるのも風流ですね。
少しずつ暑さが厳しくなります。
栄養はしっかり摂って、元気に夏を乗り切りたいと思います。

今回は、『発酵と発酵食品について考える(2)』をお届けします。

発酵食品の効能をネットで調べると、美肌効果だとか、ダイエットにも良いとか、
アンチエイジングだとか、場合によってはガンが治ったとか、これでもかと
出てきますが、それは発酵食品を摂取していなくても、普通の食事をしていれば、
達成できることかもしれません。

なぜなら、前回ご紹介した通り、全ての食品のうちの1/3は、発酵食品なのですから。
あまり意識せずに食べていることもあります。

発酵食品と健康の因果関係や相関関係は、簡単には証明できません。
もちろん、それは食品全てに言えることですが。また、マウスの実験で証明されても、
それがそのまま人間に当てはまるとは、限りません。

ただ、最近特に思うことは、体が欲しがっている食物と脳が欲しがっている食物は、
違うのではないかということです。しかし、最後は、脳が判断するので、最終判断が
微妙なものになってしまう。
その一番の例は、「甘いものは、別腹」です。目やその他の感覚器官での信号が、
脳に行って、お腹はいっぱいなのに、新たに食欲を掻き立てられることになります。

「一汁一菜でよいという提案」土井善晴・著(グラフィック社)を読む機会が、
ありました。家庭料理についての素晴らしい解釈が書かれており、しかも、
日本古来の食事の意味がわかりました。その中にも、体が喜ぶ料理と脳が喜ぶ
料理について書かれていましたが、素晴らしい分析だと思いました。

その中で、手の込んだ料理と、下ごしらえをきちんとした料理の違いについての
記述があり、新しい切り口を与えられた気がしました。
(ネタバレになるので、詳しくは本文に当たってください。)

話が逸れて、中途半端なところに戻りますが、
先日、発酵を専門の研究分野とされている学者さんとお話をする機会があり、
そこで素人なりに普段疑問に思っていることを質問しました。

それは、幾つかの微生物が均衡状態のところに、新しい微生物が紛れ込んできても、
その微生物がそこでは増殖できない状態があり、それを人為的に行うことを
「バイオプリザベーション」と呼ぶそうです。
また、幾つもの微生物がバランスよく共生している状態があり、
それをミクロフローラと呼ぶそうです。

弊社の味噌製造過程では、3つの主要な微生物のうち、麹菌は種麹屋さんから手に
入れていますが、残りの乳酸菌と酵母については、蔵付きの微生物に頼っています。

この話を聞くまでは、経験上は、あえて微生物を添加しなくても、おいしい味噌が
できるとなんとなく安心しておりましたが、聞いた後は、蔵つきの微生物
(ミクロフローラ)について、さらに理解が進んで、自分の中で説明が着きました。

新築の味噌工場には、ミクロフローラが形作られていなくて、微生物が安定しないので、
種味噌を添加することによって、有効な微生物を活動させて良い味噌を作る。
これは、わかっていましたが、そのやり方を繰り返すことによって、工場内によい
微生物(酵母や乳酸菌や麹菌)のミクロフローラが形成されることが、理解できました。

今回は、発酵食品の効能について書くつもりが、土井先生の本の素晴らしさを伝えたくなり、
話が当初の意図していた方向とは、違ってしまいました。
発酵食品の効能については、また改めて、書きます。

★第59回 プロの仕事とは ★

梅雨明けとともに本格的な夏が到来しました。
しばらく厳しい暑さが続くと思いますが、夏バテなどなさいませんように
お体に気を付けてお過ごしください。

今回は、『プロの仕事とは』をお届け致します。

NHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」という長寿番組があります。
私も、好きで見ているのですが、プロの心構え等、勉強になることが多いです。

さて、味噌作りについて、プロとアマチュアの違いについて、考えてみます。

まず、味噌の製造について言えば、手作り味噌を作られている方も、多く
いらっしゃいます。そこで失敗することは、ほとんどないと思います。
味噌づくりの中で、技術的に比較的難しいのは、麹つくりですが、これも幾つ
かのポイントがありますので、そこをしっかり押さえておけば失敗はしません。

ただ、毎年もしくは、年2回手作り味噌教室に来ていただいて、手作り味噌
キットで味噌作りをされている方は、出来上がった味噌を手に入れることが
目的の全てでは、ないはずです。

結果として、おいしい味噌が出来上がれば、私共も、皆さんも幸せですが、
楽しみの一つは、作る過程にあることは、間違いないはずです。
大豆を潰すこと一つをとっても、見方によっては、手間の掛かる労働です。

しかし、その労働に対して、良い結果を残せたという達成感が、楽しみの
一つになっていると、思います。

そのように楽しみながら、全てのスキルを会得しても、残念ながらプロ級の
腕を持つアマチュアに過ぎません。

以前、みそソムリエ認定講座に自作の味噌をご持参された方が居て、評価を
求められたことがありました。
自信作として持ってくるだけあって、まずまず(かなり)のクオリティの
味噌でした。
しかし、その方のご質問は、この味噌が売り物になるかという質問でした。

売り物になるかとの問いの答えとしては、そのサンプルに対して、評価する
ことも大切なことなのですが、それより大切なことは、その味噌を売る場合に
必要な心構えを確認することだと思いました。

また、おいしい、まずい、の評価は、主観の問題であり、まずい方向は、
比較的意見が一致しやすいが、おいしいとなると、明らかに、もしくは、
微妙に個人の好みが反映します。

最も大切なことは、単発で美味しい味噌が出来ても、そのクオリティを
コンスタントに維持出来なければ、商売としては、成り立ちません。

したがって、その方には、
「この味噌の味は、自信作だけあって、良い味だと思います。
しかし、味噌メーカーとしては、苦労して作っても、味噌がいつも同じ味で
ないと、お客さんは離れて行きます。仕込みごとにバラツキのない安定した
味を出すためのデータや手法を積み重ねて下さい。」
と申し上げました。

味噌は調味料ですので、作り方や作った人ではなく、味によって評価されます。
だから、味を気に入ってもらって買ったのに、次に買った時に味が違うのでは、
信用を無くします。

そこが、いわゆる1点ものの芸術作品とは、違うところです。
1点物の芸術作品だって、同じものを何点も作れる力があって、その中で一番
良い1点を残すから、価値があると思います。

作るたびに違うものが出来て、それを1点ものだとするのは、プロの仕事では
ないと思います。
その芸術家の作風が、作品に表現されているから、価値があるのだと思います。

次回は、味噌製造についてのプロとは何かについて、私なりの考えを申し上げます。
(次号へ続く)

★第60回 プロの仕事とは その2 ★

日増しに秋の深まりを感じるころになりました。
9月と言えばお月見。中秋の名月とは、9月20日頃に見える月のことで
この日は、十五夜お月様見て帰ろう…の、十五夜にあたります。
忙しい日々の中で、たまにはゆっくり月を眺めてみてはいかがでしょうか。

今回は、『プロの仕事とは その2』をお届け致します。

前回は、おいしい味噌は、アマチュアでも作れるということを申し上げました。
今回は、味噌作りのプロフェッショナルとは、どのような能力が必要かという
ことについて、申し上げます。

味噌製造に関する資格としては、厚生労働省所管の資格である製造技能士と
いう資格があります。以前にも、お話したかとも思いますが、技能士とは、
業種ごとの職人の資格であり、その業種は100以上にわたっています。

免許ではないので、なければその仕事ができない訳ではなく、その仕事に対して
一定以上の技能を持っていることを証明する資格です。

みそ製造技能士の資格試験につきましては、長年手伝わせていただいております。
そのため、具体的な試験の内容について、申し上げることは、出来ません。
お話しできる範囲で申し上げると、試験は、筆記試験と実技試験に分かれ、
筆記は、味噌の関する知識を問い、実技は、味噌を作るのではなく、味噌の
原料や味噌そのものを調べて評価する能力を問うものです。

なぜ、実技試験で、味噌を作らずに、原料や味噌を検査して、評価する試験な
のかと言えば、一番の理由は、試験時間が何日もかけられないことです。
製パンの実技試験は、実際にパンを作る試験だそうだと聞いていますが、
味噌は、作る試験ではありません。

そもそも、技能とは、問題を発見して解決する能力のことだと思います。
現在行われている味噌技能士の実技試験は、調べて評価することにより問題を
発見する能力の試験となります。
それを解決する能力は、その後の研鑽が必要だということです。

また、問題発見能力は、実務において、とても大切な能力だと思います。
作業を分担してやると、大体の人は、決められたことはやりますが、問題に
ついては、素遠しというか、節穴です。右から左に流して行きます。
だから、工程の中で、問題を発見することは、プロへの入口を入るために
必要な能力だと思います。

さらに、問題を発見し、その原因が分かれば、経験から申し上げれば、
対策は9割がた見えてきます。

そこが分からないと、なにも進歩をしません。解決出来なくても、問題に
気づけば、経験豊富な先輩たちが、問題解決をしてくれます。
それを見たり手伝ったりしていれば、自然と問題に対応できるようになります。

だから、味噌製造技能士試験の実技では、味噌やその原料を検査する能力が、
試験されるのだと、思います。
(それに、米、大豆、塩から、味噌を作る試験をするとなると、仕込むまでに
最低3日、出来上がるまでに最低3か月掛かります。
仕込みまですら、付き合いきれません。それにマンツウマンでしか試験監督が
出来ませんので、ほぼ、無理です。)

NHKで取り上げられるようなプロフェッショナルは、プロ中のプロです。
とびぬけて技能に優れた人です。しかし、それはその仕事を始めた時から、
優れた技能を持っていた訳ではなく、正しい道のりを歩いて、一歩一歩、
技能を積み重ねて来て、プロフェッショナルとなったのだと思います。

メルマガ登録はこちら
目次