第153回 麹菌について
本日10日、関東甲信と北陸地方が「梅雨入りしたとみられる」と気象庁から発表
されました。今年も長雨の季節に突入です。明日11日にかけては、関東甲信でも
大雨の恐れがあるようですので、備えは早めに済ませて、最新の情報をこまめに
確認したいと思います。
今回は、『麹菌について』をお届け致します。
現在、味噌の原料と指定されているものは、大豆、塩です。この2つは入って
いないと味噌とは名乗れません。これに加えて、米、大麦となり、この2種に
大豆を加えたものを麹として、味噌を仕込みます。米を麹にして米味噌、
大麦を麹にして麦味噌、大豆を麹にして豆味噌となります。
2種類以上の麹の味噌を合わせたものを調合味噌と表示します。
なお、業界の一部では、合わせ味噌とした方が良いと言う意見もあります。
私も賛成です。なにか調合味噌とされると、味噌以外の物を混ぜているような
ことも、想像されることもあるのがその理由です。
しかし、異なる麹で造られた味噌を混合した味噌を合わせ味噌としたら、同じ
米味噌の赤と淡色を混ぜて使う場合や、甘味噌と辛口味噌を混ぜて使う場合に
合わせ味噌と言う表現が出来なくなることは、困ります。単純に二種類以上の
味噌を混ぜ合わせた味噌を合わせ味噌と思っている人が私を含めていると思い
ますが、それの意味を農林規格によって限定されることは良くないと思います。
味噌は、中国の周の時代に記録された「醤」を源流としているとされていますが
「醤」は、有塩下(塩分がある状態)で何らかの酵素による発酵作用に基づいて
作られた調味料の源流です。
発酵させるものによって、ざっくり分けられて味噌や醤油など穀物を原料とする
「穀醤」、野菜を原料とするキムチで代表される「草醤」、魚介類を原料とする
イカの塩辛や鰹の内臓の酒盗やタイのナンプラーなどの「魚醤」、獣肉を原料と
する「肉醤」(この類の調味料は、見当たりません。)になります。
だから、「醤」が源流と言っても、遡っていくとの話で、おなじ穀醤を元祖と
する味噌と醤油も全く違うものです。ただし、味噌と醤油は、見た目は全く
違って居ても、微生物の種類や活動する順番や働きは、ほぼ一緒です。
麹菌が最初で、その後、乳酸菌、酵母と言う順番です。同じ微生物と言っても
一番違いがあるのは、酵母です。ご存知のように、酵母の違いによって風味が
変わります。東北や九州では、味噌と醤油を同じ会社で製造している会社が
あります。
しかし、味噌と醤油の酵母が混じらないように、最低でも別棟か、もしくは
別の敷地(会社によっては、札幌と旭川)での製造をしています。
逆の言い方をすれば、同じ酵母でも発酵するが、理想とする味にはならない。
と言うことです。
さらに、味噌と醤油の一番の大きな違いは、原料です。味噌は米、醤油は小麦
です。もちろん、麦味噌はありますが、それは大麦です。
麹を作る場合の原料処理が、違うために醤油では小麦を使い、味噌では大麦を
使います。
小麦にはグルテンが存在して、それが粘り気を出す特徴があります。
米味噌、麦味噌は、麹にする米、大麦を蒸す工程の後に麹菌を噴霧して麹室にて
麹菌を増殖させます。
醤油は、小麦を炒って砕いて、それを蒸した大豆を混合して、その混合物に
麹菌を噴霧して麹室にて麹菌を増殖させます。
もし小麦を単体で味噌の麹の製法で原料処理をしたら、小麦のグルテンの効果で
小麦が1粒1粒独立せずにダマになって、良い麹にはなりません。
もち米を麹にする場合と同じようになります。もちろん、研究室レベルですが
試験済みです。醤油の麹のように小麦を炒って砕いて蒸した大豆と混合すると、
大豆のサポニンの影響で小麦の破片が張り付いて、麹菌がそこで増殖します。
小麦を炒ることによって、小麦のデンプンがα化します。
そのようにすれば、小麦の味噌も作りやすくなるかもしれません。醤油の場合
JAS規格があり、濃口しょうゆは、大豆と小麦の割合が40:60から60:40までと
されているので、味噌の麹歩合に換算すると、6.7歩から15歩になります。
発酵熟成期間に関しては、醤油は約6ヶ月となり、味噌より長いのですが、
その原因については塩分の違いが考えられます。
もっとも、小麦を原料に使うことに関しては、アレルギー表示という他の製品
にも大きく影響を与える事態になるために気軽に作ってみるようなことには、
行きません。
ただ、データの裏付けも無いのですが、醤油が原因でのアレルギーは少ないと
思います。なぜなら、アレルギーの原因は、特定のタンパク質に依ります。
小麦のアレルゲンとなるタンパク質は、醤油の発酵過程で分解されて、
ペプチドやアミノ酸となっているので、アレルギーを引き起こすことは少ない
と思います。
しかし、全ての小麦アレルギーの人が醤油を使ってもアレルギー反応が無くて
済むかと言われたら、その証明は大変なので、そこは突き詰められないので
しょう。現実的に非常に低い可能性でしかアレルギー反応が起きていないので、
普通に醤油を使っているのだと思います。
今月は、このくらいにしますが、来月も、発酵食品は沢山の種類があり、
その中でも 有塩下での発酵をする調味料もたくさんあるのに、日本の有塩下で
発酵する調味料は、味噌と醤油が代表となったのかについて、考えて行きたいと
思います。
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