第155回 麹菌について その3

8月9日(土)は、満月です。8月の満月は「スタージョンムーン」と呼ばれます。
「繁栄」という意味のほか「自由」「自立」「友情」「オリジナリティ」など
様々な意味があるとされています。また注目すべきは、今回の満月が、土星、
金星、木星、水星など複数の惑星とほぼ一列に並ぶという珍しい天文現象です。
暑さ対策をして、東南東の方角に昇る満月をゆっくり観察するのも良いですね。

今回は、『麹菌について その3』をお届け致します。

先月で味噌、醤油などの調味料と麹の関わりついては、一通り申し上げました。
麹と言えば、調味料よりも酒の方がポピュラーかもしれません。

特に、2024年12月に「和食」に続いて、「伝統的日本の酒造り」がユネスコ
無形文化遺産に登録されました。この分野に含まれる「日本の酒」は、日本酒、
焼酎、泡盛、みりんとなっています。

この発表を聞いて、日本酒を中心に考えるとみりんが近くて、泡盛、焼酎に
行くにつれて遠くなって行くので、どう言うロジックなのだろうと思いました。
 
どのように日本酒から遠くなって行く(焼酎が日本酒とどこが違う)のかを
申し上げると、まず、みりんは、醸造方法は、ほぼ日本酒の作り方で掛け米の
ところで、もち米を足していますが、それはうるち米でも可のようなので、
日本酒との違いは、アルコール添加です。

続いて、泡盛は、蒸留という過程が日本酒との大きな違いになります。
醸造酒と蒸留酒の違いです。さらに、タイ米を麹にして仕込みます。使って
いる麹菌の種類も黒麹菌となります。黒麹菌の特徴は、黄麹菌とは同じ属に
なりますが、高温障害になりにくいことです。

最後に、焼酎は、大麦、そば、芋などを加えての発酵の上、蒸留すると言う
製法です。泡盛との違いは、最初の生?を国産米であることと、白麹菌と
黒麹菌のどちらかを使うということです。白麹菌は黒麹菌の突然変異を固定
した菌です。

私は自分が全く飲まないので、日本酒と焼酎は全く違う酒だと思っていました。

そこで、この微妙に異なって行く酒類をつなぎとめているのが、麹であり、
これらの酒たちを一体化して「日本の酒」として一連の物としていることに
なります。

これは、味噌、醤油の例と同様に、ここでも麹の力が評価された素直に喜ぶ
べきでしょう。

国に対する貢献度を図るといえば、酒税の納税額です。それから言ったら、
ビール業界が圧倒的に多いようです。しかし、ビールは麦芽であり、麹は
関係ありません。

検索すると、大麦を麹にしてビールを仕込んでいるところもあるようです。
大正時代には、ウィスキーを麦芽ではなく、麹で造ることも準備されていた
ようです。(高峰譲吉)それが現代まで続いていたら、ウィスキーも
「伝統的日本の酒造り」として、世界遺産に登録されていたでしょう。

大正時代に出来たのだから、現代でも技術的には可能だと思います。
ウィスキーとビールの両方で麹菌が使えることになります。たぶん、麦芽とは
違う酵母菌が増殖するかもしれません。

麹を使うことを共通の製法として前面に出すことは、日本と麹菌との関わりを
考えても他国とは明確に区別できる理由になります。誰が思いついたのかは
知りませんが、とても良いアイディアだと思います。

余計なことを言えば、麹繋がりを調味料にも広げて欲しいです。でもそこは、
先に世界遺産になった「和食」でカバーされていると言うことなのでしょう。
それに「和食」が行けたから、次は「酒」という方向になり、そこで麹で全体を
まとめることが素晴らしいと思います。

和食ついでに申し上げれば、鰹節も麹菌を利用して枯らしているので、そこ
までの守備範囲を考えると麹菌が国菌に指定されたのも、当然のことと思います。
ただ、鰹節に利用される麹菌のアスペルギルス・グラウカスは、日本醸造協会の
指定する国菌には、含まれないようです。
もちろん、一時期、話題になった紅麹菌も含まれていません。

最後に繰り返しになりますが、アルコールを生成するのも、調味料の風味を
醸すのも、酵母菌の役割です。しかし、効率よくアルコールを作る酵母菌や、
良い風味を醸す酵母菌が活躍する地ならしと言うか、舞台作りをするのが
麹菌の役割だと思います。

誇張した言い方になりますが、3,000種類以上ある酵母菌をオーディションで
選んで、作った舞台装置に載せて活躍させるのが、麹菌だと思います。
もちろん、酵母菌だけでも演技は出来ますが、環境を整えることによって、
良いパフォーマンスの出来る酵母菌を選択することによって、良い結果を
導くのが、麹菌だと思います。

サッカーで言うとフォワードよりミッドフィルダー、映画で言うと主演より
演出が好きな人の多い日本人好みの微生物だと思います。

8月の味噌のサービス品は、うきこうじを安く購入できます。
通常1kgあたり 781円のところ、710円で限定販売しております。
https://www.nihonmiso.biz/shopdetail/000000000075
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