第163回 酵母菌について
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★第163回 酵母菌について ★
昨日4月5日の横浜は、初夏のような暖かさで絶好のお花見日和でした。
近所の公園では、連日の雨と強風で、桜はかなり散ってしまっていた様ですが
お花見に来られた大勢の方で賑わっていました。
昨年よりも花粉症の症状が悪化している私は、今年も車の中から遠目で桜を
眺めるだけとなってしまいました。
今回は、『酵母菌について』をお届けします。
味噌に関係する微生物で風味(特に香り)に一番影響を与えると言われている
酵母菌について、申し上げたいと思います。
まず、酵母菌には3,000種類(1,000~2,000種類とも)あるとされています。
また、発酵食品に出てくる酵母は実は10種類程度しかないとも言われています。
それは酵母が生物学的分類では様々に異なる系統に属する単細胞の真菌だから
です。
したがって、分類は「酵母」という分類単位があるわけではなく、真菌の中で
酵母型(単細胞)生活をするものをまとめて呼んでいるに過ぎないとされています。
分類学で言うと酵母は菌界が分かれた分類の子嚢菌門(界、門、綱、目、科、
族、属、種の順で細かい分類となる。子嚢菌門の上の分類は菌類です。)と
担子菌門に分かれて存在します。しかし、食品酵母は子嚢菌門です。
さらに、ざっくりと申し上げると、サッカロミケス属(Saccharomyces)と
チゴサッカロミケス属(Zygosaccharomyces)を押さえて置けば、食品酵母の
分類は良いと思います。
(味噌製造技能士の試験に出るのが、この2つだからです。)
大きく分けると、サッカロミケス属はパン・酒関係、チゴサッカロミケス属が
味噌・醤油関係です。
発酵食品に出てくる酵母は実は10種類程度しかないと言われることの根拠が
ここにあります。酵母はたくさんあっても、食品に関連する酵母が少ないのには
訳があります。
それは生存条件が厳しいというか、酵母の活躍する環境が厳しいからです。
発酵食品は、高糖(果汁・ワイン、麦汁・ビール)、高塩(味噌・醤油)、
低pH低酸素、アルコール、有機酸、このような条件にあります。
その条件下で、酵母は、生活(発酵)をしなければなりません。
条件として厳しいのは、高糖、高塩です。これによって水分活性が低下して
微生物の生命力を奪います。これに続く条件も微生物にとっては、どれも生存が
難しいことになります。
しかし、この条件下では、ライバルとなる微生物も少ないため、このハードルを
クリア出来れば、爆発的な増殖が出来ます。なぜなら、栄養豊富な環境だからです。
味噌、醤油での主たる酵母菌は、チゴサッカロミケス ロキシー(Zygosaccharomyces
rouxii)です。
この酵母菌は、強い耐塩性、高浸透圧耐性、アルコール耐性、低pH耐性を持って居ます。
これは味噌の物理的特徴が、塩分12~13%、米のデンプンが分解されて糖分も
多く存在して水分活性も低く、アルコールも存在する、pHが5以下になる。と言う
微生物にとっては生存が困難な環境に耐えて、生存と増殖を行える稀な微生物が、
この酵母菌です。
食品を保存させるためには、微生物の増殖を抑える必要があります。
日常の行為で言うと、冷蔵庫に入れて低温で増殖を抑える。
その前に加熱(焼く、煮る)して殺菌する。日持ちを良くするための行為にも
属します。
炊飯米に関すれば、おにぎりの表面に塩を付けて表面の塩分を高くして、
微生物を脱水させて殺菌する。食酢を混ぜて酢飯にしてpHを下げて殺菌
する。と言う解説を抜きにしても理解できる習慣化している行為が行わ
れています。
味噌が保存の出来る発酵食品であることが内部の微生物にとっては生存
条件を厳しいものにしています。
今月は、酵母菌について一般的なお話をしました。来月は、味噌の酵母菌に
関するお話をします。
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