第164回 酵母菌について その2
今年のゴールデンウィークは、カレンダー通りお休み致しましたので「5連休」に
なりました。「休もう!」と決めて、家事は最低限にし、ゆっくりのんびりした
連休を過ごしました。普段なかなか会えない友人と、久しぶりに食事をしたり、
気になっていたお店に伺う事も出来て、「休日らしい休日」を過ごせました。
今回は、『酵母菌について その2』をお届けします。
先月に引き続き、酵母菌のお話です。今月は、味噌の酵母菌についてお話します。
味噌における酵母菌の役割は、大きく以下の4点が挙げられます。
アルコール生成、エステル生成(発酵香)、熟成促進、酸素消費による環境安定、
ですが、酵母菌は、麹酵素が作った糖を利用してアルコールを生成します。
このアルコールは、香りの基礎やエステル生成の材料になります。
そのアルコールに有機酸を加えてエステルを作ります。例えば、エチルアセテート、
エチル乳酸です。これが味噌の発酵香(熟成香)になります。
酵母が作るアルコール、有機酸、代謝物などが熟成中のメイラード反応を促進します。
そのことは、味噌の熟成を進める触媒的な役割となります。
酵母が酸素を消費することで味噌内部の環境が還元的状態になります。
これは脂質酸化防止、香り安定に役立ちます。
味噌の酵母菌も醤油の酵母菌も、どちらもチゴサッカロミケス属 ロキシー種に
なります。北海道、東北や九州地方の味噌メーカーでは、醤油と兼業している
メーカーがあります。
その場合のほとんどのメーカーでは最低でも味噌と醤油の工場の建物を別にして
います。敷地を離している場合もあります。
味噌や醤油が微生物の発酵によるものだと言うことがわかる前からの決め事なので、
経験的に別棟にした方が良いのでしょう。
その理由としては、まずは味噌と醤油同じ種の酵母菌でも株(種の下の分類)が
違うので、違う結果(香りなど)を出すので、その株が混ざることを避ける。
味噌は味噌らしく、醤油は醤油らしくそれぞれ独立した株での発酵を行うことで、
中途半端な製品を作らないようにします。
続いて、それぞれの蔵の菌叢を大切にするためです。菌叢(フローラ)は、
味噌・醤油の主要な微生物である麹菌、乳酸菌、酵母が味噌蔵、醤油蔵で長年に
渡って各々バランスを保っています。
それに影響を与えるとなると、風味が変わってしまいます。
また、同じ蔵で醸造を行わないのには、味噌は半固体のため静置となるが、
醤油は液体のため櫂入れなどの撹拌などの作業を行うので、同じ作業環境に
する必要が無い。使う醸造機械も工程的に同じではなく、後期の工程ほど別の
機械になるために建物を分けても設備が重複しにくい。
味噌は半固体のまま、掘り出したり、撹拌混合や充填を行うのに対して、
醤油は、水分の多い固形物の混じった液体のため、液体と固形物を分離したり、
液体になった醤油の火入れ殺菌を行ったりと、仕込み以降の工程が違って
来るので、機械も別の機械になります。
さらに、これは近年に限ったことですが、醤油の原料の一つの小麦がアレルギー
表示を必要となり、全ての工程を分けて製造をする方が良くなりました。
(個人的な意見ですが、醤油を原因とする小麦アレルギーが発生するのかとの
問いに対して、タンパク質がほぼ分解されているため、アレルギー反応が起き
にくいと思われます。しかし、100%タンパク質が分解されているとは限らない
ので、そのリスクはゼロでは無いです。)
最後に、味噌に比べて醤油は水分が多いので、酵母の活動が盛んになるため、
香りが強くなり、その香りが味噌に移ることが起きることが、別に発酵管理を
行う理由となります。
以上の理由から、同じ酵母菌(チゴサッカロミケス ロキシー種)でも、味噌と
醤油は分類学上の株が違うので、コンタミを起こさないために別の場所での醸造が
マストだと思います。
このように、酵母菌は微生物としては味噌の風味に一番影響を与えていますが、
近年では、化学反応であるメイラード反応も微生物ではありませんが、風味に
影響を与えているとされています。
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通常1kgあたり858円のところ、780円で限定販売しております。
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